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抗凝固薬は、ワーファリンと直接経口抗凝固薬(DOAC,NOAC)では年間にかかるお金はどれくらい違うのか?

2017/02/25
 
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「先生、新しいお薬が増えてから、お薬代が急に高くなりました。」

今回の患者さんは、55歳の女性Kさん(仮)です。
昨年秋頃に急性肺動脈血栓塞栓症を発症して、他院に救急車で運ばれました。

集中治療により軽快し、無事退院。
外来で、入院中の経過を聞いているときに、薬代のことについて訴えがありました。

 

 

Kさん
先生、新しいお薬が始まってから、急にお薬代が高くなりました!
ponkan
本当ですか?どれくらい??
Kさん
7000円くらい。。
ponkan
(結構かかってるなあ。。やっぱりDOACが高いのかな。。。)
ponkan
どれどれ、お薬手帳を見せてください。
ponkan
(エリキュースか。。高いけど、、必要なお薬だな。。)

 

 

Kさんのお薬内容は以下の通りです

エリキュース5mg2錠  545.60円
ネキシウム20mg     160.10円  

調剤料、基本料などを除いて考えます。
薬剤料は、1日合計705.70円 1か月合計 21,171円(2120点)の3割負担で707点
1月のお薬にかかるお金が7,070円
1年間合計 84,840円

こう考えると、かなり莫大な出費です。

さて、そこで患者さんの疑問です。

 

・新しいお薬はワーファリンと比べてどれくらい高い?
・効果は違う?
・私にはどちらが適しているの?

 

 

Kさん
先生、高いですよ~(´・ω・`)
ponkan
そうですね、、7000円は高いですね。。
でも今のKさんには必要ですよ
Kさん
ワーファリンじゃだめなんですか??
ponkan
未だ、諸説ありますけど、今のKさんには新しいお薬の方が、良いですね
Kさん
そうなんですね。先生が言うなら仕方ないな。。

 

 

DOACというお薬は、ここ数年間で出てきた新しいお薬です。血をサラサラにして血栓予防の効果があり、はじめは心房細動に対するお薬として認可されました。
ここ最近では、肺動脈血栓塞栓症や、深部静脈血栓症といった、静脈血栓塞栓症に対しても適応が広がっています。

 

Kさんと話をしていて、いろんな疑問が改めて浮かんできました。。

・心房細動に対するDOAC(高い薬)とワーファリン(安い薬)の効果の差、安全性の差は?
・ワーファリンが適した人とDOACの適した人はどのような人?
・心房細動の適応と静脈血栓塞栓症の適応
・DOACどうしの適応の違い、薬価の違いは??

 

今回は特に、Kさんのような急性肺動脈血栓塞栓症に使用する場合に、この3点を改めて調べてみました。

 

1.ワーファリン、エリキュースのお薬代の違いは
2.ワーファリン、DOACのメリット・デメリット
3.ワーファリンはどのような患者に適し、DOACはどのような患者に適するか

 

1.ワーファリン、エリキュースの薬代の違いは

Kさんは、肺動脈血栓塞栓症に対して抗凝固療法(エリキュース)と、胃の保護薬(ネキシウム)が処方されていました。
現在、1日合計705.70円 1か月合計 21,171円(2120点)の3割負担で707点
1月のお薬にかかるお金が7,070円
1年間合計 84,840円

 

胃の保護薬については、また後日比較することとします。
抗凝固療法については、大きく分けて2種類あります。

ワーファリン直接(新規)経口抗凝固療法(DOAC,NOAC)です。
ワーファリンは、古くからある抗凝固薬で、DOACは比較的最近でてきた新規薬剤です。

 

ワーファリンは古くからあるため、薬価は安いです。
(0.5mg:9.60円、1mg:9.60円、5mg:9.90円)
一方で、DOACはワーファリンの10~60倍かかります。

仮にKさんが、DOACであるエリキュース5㎎2錠の代わりに、
ワーファリン5㎎を処方されたとします。

ワーファリン5㎎ネキシウム20㎎にかかる薬代は1日 160.10円+9.90円170.0円となります。
1か月合計 5100円(510点)の3割負担で170点,1月のお薬にかかるお金が1700円
1年間合計 20,400円
です。

 

エリキュース内服の現在は、1年間合計 84,840円ですから、
年間で64,440円の違いになります!!!

 

診察料(初診料や検査料金など)や、医療機関までの公共交通料金等を合わせて、
1年間で10万円以上の医療費には税金が控除されますが、
年間6万円以上のお薬代の差はとても大きいです。

 

Kさんが、薬代について思うところがあるのも納得できます。

 

では、新しいお薬であるDOACとはどのような薬なのでしょうか。
この薬価の差を補うだけの効果が期待できるのでしょうか。

次回はここら辺の疑問に対して医療従事者の目から、根拠に基づいてDOACが処方された理由を解説していきたいと思います。

次回のテーマ

 

 

ワーファリン、DOACのメリット・デメリット

ワーファリンはどのような患者に適し、DOACはどのような患者に適するか

 

 

 

 

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